相続した不動産売却をするときは

戸建てや土地、マンションなどの不動産を相続することがあります。また相続した人が、不動産の活用を検討するときに、不動産売却を行うことがあります。

相続した不動産の売却を行うときは、保有している不動産を売却するときと違って、さまざまな書類や手続きが必要です。

また相続した不動産を売却するときには、通常の不動産売却に適用される特例が異なります。期限や条件が異なるため、注意して不動産売却を進めなければなりません。

しかし、相続や不動産売却は、人生のなかでしばしば起こるものではありません。

そのため、必要な書類や手続きを熟知している人は少なく、何をどうすれば良いのかわからないと思っている間に時間ばかりが流れてしまうことも多いです。

そこで今回は、相続した不動産を売却するときに知っておきたいことをまとめてわかりやすく紹介します。

不動産売却の進め方

不動産に関わらず、相続が発生する関係にある人が亡くなったときには、さまざまな手続きが必要であることに加え、気持ちの整理が必要です。

しかし、不動産に関しては、相続の手続きに期限が設けられており、相続してから3ヶ月以内に手続きを行わなければなりません。

相続の手続きをするときには、遺言書に従う必要があります。

またほかに遺産や債務がある場合には、どのような対応をするか判断する必要があります。遺言書がない場合には、相続人全員で話し合い、ときには代理人などと相談が必要になります。

ここからは、具体的に相続したものの不動産売却を進めるときに、どのような手続きが必要なのかを解説しましょう。

名義変更

遺言書に従い、遺産分割協議が終わると、相続人が決定します。不動産を相続するときにはまず、これに従って名義変更を行わなければなりません。

不動産売却を行ってから相続税を支払うときには、相続が開始された日の翌日から10ヶ月の期間にすることが定められています。

相続した不動産の名義変更を行ってから、実際に買い手に引き渡されるまでは、約6ヶ月程度が必要であるため、計画的に行動することが大切です。

不動産売却に必要な書類

相続した不動産は、名義変更をして売りに出せば、不動産売却ができるわけではありません。

不動産売却を行うためには、物件の重要事項説明書や登記に関する書類、建物や土地、設備などを詳細に説明する書類などが必要です。

これらの書類は、戸建てだけではなく、マンションや土地などでも必要で、それぞれの種別によって必要な書類が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

相続する不動産の保有者と別に暮らしていたときは、亡くなってからこれらの書類を探すことになり、何がどこにあるのかわからないという人も少なくありません。

書類が揃わず不動産売却ができないという事態を防ぐために、生前のコミュニケーションを欠かさず行ったり、遺品整理をするときに必要な書類を早い段階で探しておいたりするなど、不動産売却がスムーズに進むように心がけることが大切です。

注意したいこと

相続した不動産売却をスムーズに進めるためには、より高く売却してくれる不動産会社を探すことが大切です。

しかし、共有名義である不動産の売却を行うためには、名義人全員の同意が必要であるため注意しましょう。

また、単独登記であるときには、贈与に含まれない場合や、親の家に居住しない場合には適用される特例が居住する場合と異なるため、注意が必要です。

ほかにも、取得にかかった費用は不動産の購入額を引き継ぎ、所有期間も購入日を引き継ぐことに注意しましょう。相続にかかった経費が不動産の購入額ではなく、相続した日が購入日ではないということです。

加えて、相続した不動産売却を行うときは、3年以内を目安とすることが一般的であることも考慮する必要があります。

相続人全員の同意が必要

相続した不動産は、複数の相続人の共有名義になることがあります。

共有名義の不動産売却を行うときは、誰か1人だけの判断で行うことができません。共有名義人全員の同意が必要であることに注意しましょう。

またこのときの同意には、不動産売却を行うことへの同意と、不動産売却額への同意という2点があることにも注意が必要です。

どちらかだけの同意であるとトラブルの原因となるため、しっかりとした意思確認が必要です。
また、不動産売却額の同意を得るときには、最低売却額を決めておくと良いでしょう。

最低売却額を決めるときには、売却希望額から、相場や査定額を参考にいくらまでなら価格を落とせるかを話し合っておくと良いでしょう。

不動産会社を探すときには

不動産売却を行うときは、相続した不動産に関わらず、できるだけ高く売りたいと思う人が多いでしょう。

できるだけ高く売りたいという希望を叶えるためには、売却期間を短く、スムーズに不動産売却を進めてくれる不動産会社を選ぶことが大切です。

売却期間が長くなると、維持するための費用や売却活動に必要な経費が多くなってしまいます。また不動産の価値が落ちるときもあります。

加えて、売却を行う不動産が相続したものであるときには、納税や特例が適用される期間に期限があります。
そのため、スムーズな不動産売却が必要なのです。

スムーズな不動産売却を進めてくれる不動産会社は、不動産売却を多く取り扱っているかや、実績があるかをポイントに選びましょう。また査定を依頼したうえで、納得して依頼することも大切です。

まとめ

不動産売却や相続に慣れているという人はあまりいません。そのため、相続した不動産を売却するときにはどのように進めれば良いのかわからないものです。

不動産売却は、単に不動産会社に依頼して、不動産を売りに出せばいいというわけではありません。さまざまな手続きや書類が必要です。

特に、相続した不動産を売却するときには、納税や特例の適用に期限があるため、スムーズな売却活動が望ましいです。

相続した不動産の売却をスムーズに行うためには、必要な書類を揃え、相続人の同意を得る必要があります。

加えて、相続した不動産に限らず、不動産売却では信頼して依頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。実績のある不動産会社に査定額や売却額、売却活動の内容などを相談して依頼するようにしましょう。