ー外国人が不動産売却をするにはどうする?注意点3つと対策を紹介ー
2024.2.23
外国人の方が不動産売却をするときには、日本人が売却するときと流れや必要書類は同じです。
しかし、言葉の壁や書類の取得ができない場合があるといった課題があります。
そこで、外国人でも円滑に不動産売却をするために注意点と対処法をまとめました。
外国人による不動産売却時の注意点3つ
外国人が不動産売却をする場合は、日本人と同じ流れで行います。
しかし、以下のケースに該当するとスムーズに不動産売却ができなかったり、トラブルに発展してしまったりする恐れがあります。
・日本語の理解が難しい
・日本に住んでいない場合がある
・登記手続きに必要な書類などが準備できない可能性がある
次からは、上記のケースに該当する場合に、どのように対策を講じれば良いかを解説します。
1.日本語の理解が難しい場合の対策
売主の外国人が日本語の理解が難しい場合は、通訳者を介して不動産会社と意思疎通を図るほか、書類などの翻訳文が必要になります。
なぜなら、売主が売却条件や契約内容を正確に把握していないにも関わらず、売却してしまっては、後々トラブルが生じてしまう恐れがあるからです。
また、契約内容を把握していないにも関わらず、契約してしまうと自分にとって不利な状況に陥るかもしれません。
よって、一般的には契約内容に納得してから締結します。
不動産売却時に取り交わされる契約書などの書類は、売主が外国人であっても日本語で記載されますので、外国人の母国語の翻訳文を用意しましょう。
なお、日本語を理解できる外国人であっても、書類関係には翻訳文を用意したほうが良策です。
なぜなら、書類などに記載される内容を正しく読み取り理解するには、高い日本語能力が必要なためです。
少なくとも、以下の書類には翻訳文を併記するか別途用意しましょう。
1.契約書
2.重要事項説明書
3.不動産登記関係の書類
上記については次から、一つずつ詳しく解説します。
1-1.契約書
不動産売却においては、次のフェーズで契約書の締結をします。
・不動産売却の仲介業務を不動産会社に委託するとき(媒介契約)
・売りに出している不動産の購入希望者が購入を決めたとき(売買契約)
媒介契約は売主と不動産会社が締結し、売買契約は売主と買主とが締結します。
契約書の内容は、片方だけが理解すれば良いのではなく、双方が納得したうえで締結しなければなりません。
よって、売主と買主の双方が理解できるよう、契約書の日本語部分に翻訳文を併記しましょう。
別途、翻訳した契約書を用意するという方法もあります。
1-2.重要事項説明書
外国人が不動産の売主であっても、重要事項説明書の翻訳文も必要です。
「重要事項説明書」とは、不動産の状態を購入希望者に伝えるために作成し、不動産の売買契約締結の前に記載内容の説明がなされます。
購入希望者が物件について理解してもらうために実施し、売買契約締結後のクレームなど、トラブルを抑制することが目的です。
売主が重要事項説明書に記載漏れがないか、確認するために重要事項説明書にも翻訳文を用意しましょう。
1-3.所有権移転登記に関する書類
売主が外国人であっても日本人であっても、不動産売却をしたときには、「所有権移転登記」を行わなければなりません。
所有権移転登記とは、不動産の所有者が変更したときに必要な手続きです。
所有権移転登記には、次の書類が必要です。
・登記識別情報または登記済証
・印鑑登録証明書(発行してから3ヶ月以内のもの)
・固定資産評価証明書
・代表者事項証明書または会社登記簿謄本
上記の書類に関しても、不動産売却をした外国人の母国語の翻訳を求められます。
法務局で登記をする際に、外国人が内容を理解していないまま手続きがなされてしまうと、後々トラブルが生じるリスクがあるためです。
2.売主の外国人が日本に住んでいない場合の対策
不動産売却をする外国人が日本に住んでいない、または滞在時間が限られている場合は、代理人を立てれば契約締結などをまかせられます。
代理人を選任するのであれば、司法書士に依頼するのがおすすめです。
なぜなら、司法書士であれば不動産登記などの登記申請が可能なうえ、契約書の締結や不動産売買代金を海外へ送金など、不動産売買の工程を一括してサポートできるためです。
3.登記手続きに関する書類の準備が難しい場合の対策
不動産売却時には、次の書類が必要です。
・印鑑証明書
・住民票
・実印
上記書類は、短期滞在者や海外在住者など、日本に住所を持たない外国人は取得ができません。
取得が可能なのは、以下に該当する外国人に限られます。
・中長期在留者(在留カードを持つ外国人/就労ビザ所有者とその配偶者/家族滞在ビザ所有者/配偶者ビザ所有者)
・特別永住者
・一時庇護許可者
・仮滞在中許可者
・出生、または国籍喪失による経過滞在者
では、登記手続きに必要な書類が準備できない外国人は、どうしたら良いのでしょうか。
次から解説していきます。
3-1.印鑑証明書を用意できない外国人
日本国内に住所がなく印鑑証明書を取得できない外国人は、「署名証明書(サイン証明)」が印鑑証明書の代わりとなります。
署名証明書は、在日大使館・領事館で署名する書類に領事の前でサインをすることで発行してもらえます。
3-2.住民票を用意できない外国人
日本で住民票を取得できない場合は、代わりとして本国の住所を確認できる書類を用います。
以下のような書類が住民票の代わりとして有効です。
・本国の住民登録証明書
・本国の公証人・官公署の認証がある宣誓供述書
3-3.実印を用意できない外国人
実印を用意できない場合は、前述した署名証明書の提出をしたうえで、サインで対応可能です。
まとめ
外国人による不動産売却は、日本人が行う場合と同じ手順で行うとはいえ、言葉の壁があり、対策を講じないとトラブルに発展する恐れがあります。
そのため、通訳者を用意するだけでなく、重要な書類には翻訳文を作成することがポイントといえるでしょう。
また、外国人によっては必要な書類が用意できないケースもありますが、代わりとなる書類を準備すれば、不動産会社売却は可能です。
外国人の方で不動産売却を検討している、または周囲に不動産売却でお悩みの外国人がいるのであれば、まずは不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
外国人の不動産売却に適切なアドバイスや提案をしてもらえるでしょう。
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